「抜け毛や薄毛に悩んでいて女性の薄毛治療が気になる…。」
「薄毛治療薬のプロペシアの効果や副作用について知りたい…。」
最近、びまん性脱毛症やFAGA(女性男性型脱毛症)などで女性でも薄毛や抜け毛に悩み、薄毛治療を受けている方も増えてきています。
女性の薄毛治療では、男性と同様、薄毛治療薬が使用されるのが一般的です。しかし、男性の治療で使われているプロペシア(フィナステリド)は女性は服用することができません。
病院を受診して女性にプロペシアが処方されることはまずありませんが、通院が恥ずかしい、薬代を安くしたいなどの理由でネットで購入して服用してしまったり、旦那さんのプロペシアを飲んだり、触ったりしてしまった場合にはとても後悔することになるかもしれません。
そうならないように、今回、こちらではプロペシアの効果や危険な副作用についてしっかりとお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
女性がプロペシアを服用しても効果なし!
男性の薄毛治療薬として広く使用されているプロペシア(フィナステリド)ですが、実は、女性の薄毛治療には有用性が低く、効果がないと考えられています。
男性の薄毛治療薬として、その効果が認められ、60か国以上で承認されているプロペシアはなぜ、女性には効果がないのでしょうか?
プロペシアについてもう少し詳細に見ていきましょう。
プロペシアとは?
「プロペシア」とは、男性型脱毛症(AGA)に対して脱毛抑制の効果が認められた治療薬の商品名です。プロペシアと一緒によく「フィナステリド」という言葉も出てきますが、こちらは主成分の名前になります。
フィナステリドは元々、前立腺肥大の治療薬の成分としてアメリカで開発されていました。ですが、低用量(1mg)のフィナステリドをしているうちにAGAに対する効果が確認され、プロペシアなどの薄毛治療薬として認可を受け、販売されています。
脱毛を抑えるのがメインの効果なのですが、服用した多くのひとが発毛したことが確認されています。
女性に対するプロペシアの効果
男性の薄毛に対する効果ははっきりと認められているプロペシアですが、女性に対しては効果が低いとされています。
酵素の「5αリダクターゼ」と男性ホルモンのひとつ「テストステロン」が結合すると、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質になります。このDHTが毛髪の元になる毛母細胞のはたらきを低下させてしまうため、脱毛が起こります。
男性の場合はプロペシアを服用することで、DHTの生成を抑えて、薄毛治療することができます。
しかし、女性の薄毛の原因は、DHTではなく、加齢や女性ホルモンの減少、ストレスなどが原因であることが多いため、プロペシアを服用しても効果はありません。
女性のプロペシアの服用は副作用があり危険!
薄毛の女性がプロペシアを服用しても効果がないことはすでにお伝えした通りですが、実は、効果がないどころ大きな副作用があるため、大変危険です。
プロペシアの副作用には、頭痛・腹痛・下痢・胃の不快感・頻尿など一般的な医薬品の副作用が報告されていますが、もっとも危険なのは胎児や乳児への影響です。
女性が妊娠中や授乳中にプロペシアを服用してしまった場合、胎児や乳児が男の子であれば、生殖器官の発育に異常がでてしまう可能性があります。
これは、男児の生殖器の発育にDHTが関係するため、母親経由でプロペシアの成分を吸収してしまうとDHTの生成が阻害してしまうからです。
妊婦や妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性がプロペシアを服用することは禁忌とされていますし、基本的には、それ以外の女性にも処方されません。
女性は触るだけでもダメ!プロペシアは皮膚からも吸収される!
プロペシアは女性にとって服用してはいけないだけではありません。プロペシアの成分は皮膚からも吸収されてしまうため、女性は触れることもしてはいけません。
基本的にはプロペシアの錠剤はコーティングされているため、皮膚からの吸収はされないようになっています。しかし、割れたり、ヒビが入っている錠剤に触れてしまうと細かい粉末で皮膚から吸収してしまう可能性があります。
だんなさんがプロペシアを服用していたりする場合には、絶対に自分や小さな男の子が触れない場所に置くなどしっかりと対策を行うようにしましょう。
女性にまつわるプロペシアの疑問Q&A
女性がプロペシアを服用したり、触れてはいけないことはお分かりいただけたかと思います。ですが、間接的にプロペシアの影響を受けるような場合には、「これってどうなの?」ということが出てきますよね。
よくある疑問をQ&A形式でまとめてみました。
- 妊活中や妊娠中、授乳中の場合、プロペシアを服用しているパートナーとの性生活は問題ないのでしょうか?
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男性がプロペシアを服用している際には、成分が精液にも移ります。なので女性の体内に吸収される可能性がありますが、その量は極微量で問題ないとされています。
ただ、プロペシアの服用を中止するようすすめる医師もいますので、心配なら中止してもらうのが無難です。
- 男性のプロペシアの副作用として精力減退があるようですが、パートナーがプロペシアを服用しても、性生活には支障はないのでしょうか?
- 性行為ができるようであれば問題ありません。男性ホルモンが減少するので、精子の減少や性欲も少なくなり、EDになってしまう場合もあり、結果、子供ができにくくなるということも考えられます。こどもを望んでいる場合には服用を中止してもらうことも視野に入れましょう。
- プロペシアのように女性が服用してはいけない治療薬は他にもありますか?
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プロペシアの成分であるフィナステリドが問題になります。フィンペシアのようなプロペシアのジェネリック医薬品はフィナステリドが配合されているので、女性は服用してはいけません。
フィナステリドが含まれていなくてもDHTの生成を抑えてしまうものが含まれているものは服用しないようにしましょう。
プロペシアを使用しない女性の薄毛対策
プロペシアや類似品が服用できないとなると、女性の薄毛対策はどのようにすればよいのでしょうか?
女性の薄毛対策で多いのは、
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- プロペシア系以外の薄毛治療薬
- 女性用育毛用品
こちらの2項目になります。
プロペシア系以外の薄毛治療薬
フィナステリドを含んでいるプロペシア系以外の薄毛治療薬で、女性が使用できるものとしては、「ミノキシジル」「パントガール」があります。
どちらも女性の薄毛治療薬としてはメジャーなものになります。
ミノキシジル
ミノキシジルは、プロペシアと並ぶ薄毛治療薬ですが、こちらは女性も服用・使用することができます。
ミノキシジルには、飲み薬と塗り薬の両方があり、併用することもあります。女性用の塗り薬はミノキシジルの含有量が1%となっており、男性用の5%に比べてやや少量になっているのが特徴です。
内服薬の副作用としては、体毛が濃くなる、血圧が下がる、むくむ、肝臓に負担を掛けるなどの症状が出る可能性があります。
パントガール
女性のびまん性脱毛症に効果があると認められている飲み薬です。
成分としては、パントテン酸カルシウム、シスチン、ビタミンB群、ケラチンなどが含まれており、
医薬品ですが、サプリに近い成分のため、副作用が少ないとされ、報告もされていません。ただし、妊娠中や授乳中は医薬品なので服用はできません。
ネット通販で購入することもできますが、偽物が出回っていたりもするため、最初のうちは病院でちゃんとしたものを処方してもらうようにしましょう。
女性用育毛用品
薬を使うほど薄毛も進行していないし、抜け毛も気にならないという場合には、女性用の育毛剤や育毛シャンプーといった育毛用品での対策も有効です。
医薬品と違って副作用が気にならないのも魅力ですね。
女性用育毛剤
育毛剤と言えば男性のものと思うかもしれませんが、最近は多くの女性用育毛剤が販売されています。
育毛剤には発毛効果はありませんが、髪の毛を成長させやすくするために、頭皮環境を整えてくれたり、頭皮に栄養分を送りやすくなるように血行促進をしてくれたりします。
おすすめの女性用育毛剤はこちらの記事でたくさんの育毛剤を実際に試し、評価していますので参考にしてみてください。
女性用育毛シャンプー
薄毛の原因が頭皮環境にありそうであれば、薄毛治療薬や育毛剤を使用しなくても育毛シャンプーで頭皮環境を整えるだけで改善できるかもしれません。
市販の安いシャンプーですと、洗浄成分が強く、頭皮にダメージを与えてしまったり、必要な皮脂を取ってしまったりということがあります。
女性用の育毛シャンプーはアミノ酸洗浄成分が配合されており、しっかりと頭皮の汚れを落としつつ、必要な皮脂は残し、頭皮にダメージを与えないというような頭皮環境を考えた処方になっています。
こちらも10種類を超える育毛シャンプーを使ってみて、比較した結果がありますので、ぜひご覧ください。
ここまで女性がプロペシアを使用することについてお伝えしてきました。
プロペシアは男性の薄毛治療薬としては、効果が高く一般的に使用されています。しかし、女性の薄毛の原因に対しては、効果がなく、治療薬とはなりませんでした。
また、副作用として、胎児や乳児の男の子の生殖器の発育に影響してしまうため、妊娠中、授乳中の女性の服用は禁忌となっています。
薄毛に悩む女性が治療・対策をする場合には、進行状況に合わせて、ミノキシジルやパントガールといったプロペシア以外の薬で治療するか、育毛剤や育毛シャンプーなどの育毛用品で対策することになります。
女性は間違ってもプロペシアやそのジェネリック品を服用しないように注意しましょう。