【葉酸はダウン症を予防できる?】先天性異常とダウン症どちらにも葉酸は効果あるの?

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赤ちゃんを望む親なら五体満足で健康な状態で生まれてきてほしいと誰でも思うことでしょう。

では、葉酸はダウン症の予防に効果があるのでしょうか?

厚生労働省が妊娠前・妊娠初期に葉酸摂取を強く推奨しているのは胎児の先天性異常のリスクを低減させるためといわれています。

葉酸摂取は先天線異常の予防のほかにもダウン症の予防にも効果があるのでしょうか?

  • 葉酸はダウン症の予防に効果があるのでしょうか?
  • 先天性異常とダウン症の違いって何?
  • ダウン症リスク低減のため葉酸はどんな働きをするのでしょう?

ここでは、最新の研究結果をもとにダウン症と先天性異常に葉酸が予防の効果があるのかどうかについてまとめます。

葉酸でダウン症が予防できるのか?


葉酸を摂取すればダウン症が予防できるでしょうか?

結論からお話すると、葉酸が直接ダウン症の予防に作用するという研究は現在証明がされておらず未解明です。

最新研究では葉酸がダウン症予防の可能性

最新研究では葉酸とダウン症予防についてはどのくらいまで研究されているのでしょうか?

葉酸摂取がダウン症予防に効果がある可能性がある

この研究では、ダウン症児または神経管閉鎖障害児出産経験のある母親はは異常葉酸代謝の可能性が高いという仮説をもとにしています。

神経管閉鎖障害の出産経験のある母親がダウン症児を出産するリスクについて、そうでない母親の出産と比較したものである。

その報告によれば

「神経管閉鎖障害を出産したことがある母は、次回の妊娠において、ダウン症児を出産するリスクはそうでない母親の5.8倍である」

 
つまり、先天性異常(神経管閉鎖障害)を防ぐことがダウン症児出生のリスクを下げるかもしれないという結果です。

そしてこの研究は可能性が確定にかわるほどまではまだ現時点では研究が進んでいないというのが現状です。

間接的に葉酸摂取はダウン症低減に効果があるかもしれない

上記の研究結果から間接的に葉酸摂取はダウン症発症率低減に効果があるかもしれないということがいえます。

先天性異常(神経管閉鎖障害)予防のために積極的に葉酸摂取をする。
⇒先天性異常児出産のリスクが下がる
⇒先天性異常(神経管閉鎖障害)出産のリスクが下がれば、ダウン症児出生ののリスクも下げるかもしれない。

先天性異常(神経管閉鎖障害)のリスク低減には葉酸摂取が効果的で、妊娠前から葉酸を摂取することで70%のリスクが回避されるとされています。

そのため、アメリカやヨーロッパの先進国でも妊娠初期に葉酸摂取がすすめられています。

日本においても、厚生労働省が葉酸摂取、しかもサプリメントなどのモノグルタミン酸型の葉酸で効率よく摂取することを推奨しています。

なので、妊娠を考えている人にとって葉酸を摂取したほうがよいか?といわれれば、確実にこの答えはYESです。

先天性異常(神経管閉鎖障害)のリスクを下げるために摂取した葉酸が先天性異常の発症率をさげることで、そのことがダウン症の発生率をおさえるのにつながる。

と間接的ではありますが、葉酸摂取がダウン症の発症率低減に効果があるといえる理由の1つになるでしょう。

つまり、妊娠前、妊娠初期に葉酸摂取をすることは先天性異常とダウン症にとってとても意味があるといえます。

先天性異常とダウン症の違いは何?


先天性異常とダウン症はどう違うのでしょうか?

葉酸摂取が妊娠時の先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを低減するというのは通説になっていて、ダウン症のリスクも低減にならないのだろうか?と率直に考えてしまったりしますよね。

ですが、神経管閉鎖障害とダウン症は実は発生原因は同じではなく、全く別物なのです。

よくことばとして知られている、神経管閉鎖障害とダウン症はその原因と起こりうる障害に大きな違いがあります。

原因 起こる障害名 障害によってある支障
神経管閉鎖障害 先天性異常 二分脊椎(脊椎が2つに分かれてしまう状態) ・裂傷部分より下の部位における筋肉の衰弱や麻痺・裂傷部分より下の部位における痛覚低下・排尿と排便の障害
神経管閉鎖障害 先天性異常 無脳症(脳の一部、大脳が完全に欠損しているか縮小した容態) ・出生後の生存率が1年以内・基本的生活ができない・他の臓器に合併症が起こる・日本で医師が唯一堕胎をすすめる症例
ダウン症症候群 染色体異常 ダウン症症候群(病気ではなく21本目の染色体異常で特徴をもった個性の1つ) ・全身の筋肉の緊張が弱く運動機能が弱い・特徴的な顔つき・先天性の心臓疾患や難聴、眼病などがある・知的な発達の遅れ 心身の成長がゆっくりめ

このように、どちらも異常ではあるのですが、先天性異常である神経管閉鎖障害は身体的に明らかに奇形であり生命を脅かす重症な症状です。

一方、ダウン症のほうは、染色体の異常ではあるのですが、ダウン症児だからといって生命を脅かされる奇形があるわけではなく、身体特徴と精神特徴がゆるやかめという特徴をもって長く工夫をして生きていくことができる状態です。

両者は異常という点では同じですが、でも全く違う現象をさしているのです。

葉酸摂取の効果が明らかなのは先天性異常に対して

現在の研究では、葉酸摂取が先天性異常による神経管閉鎖障害、二分脊椎、無脳症のリスクを70%低減すると証明されています。

なので、妊娠前、妊娠初期には十分な葉酸を摂取することは先天性異常を回避する大きな手立てとなります。

ダウン症のほうは、染色体異常です。残念ながら現在の科学では染色体異常を防ぐ画期的な有効手段は確立されていません。

ですが、先天性異常を防ぐための葉酸摂取を続けることが、ダウン症の発生予防に良い結果をもたらす可能性はあっても悪い結果をもたらす要因はいまのところありません。

間接的にはダウン症の発生リスクを抑える可能性があるので。なので、直接的なダウン症予防とはならなくても、妊娠期に葉酸摂取をすることはとても意味があるといえます。

ダウン症とは?年齢とその発生率などまとめ


では、現在、葉酸を摂取することはダウン症予防のどの点において役にたつといえるのでしょうか?

そのためにダウン症について少し説明いたしますね。

ダウン症とは?

ダウン症をとはよく耳にしますがどんな状態のことを指すのでしょうか?

ダウン症とは「ダウン症候群(DownSyndorome)」と医学的によばれる、細胞内の21番目の染色体異常によって起こる先天性の疾患です。

染色体異常自体は病気ではなく、ダウン症というのも病名ではなく、症状でもありません。

「ヒト」というのは、染色体の組み合わせによって性格や体質などいろんな個性が形づくられます。

ダウン症も染色体の組み合わせの個性の1つで、そのうちの21番目の染色体に異常がある21番トリソミー型の症状をダウン症と呼びます。

21番目の染色体の異常とは、染色体は本体は2つで1組なのですが、21番トリソミー型の場合、21番目の染色体が3本になっているため合計47本になります。

これらは標準型トリソミー21といわれ、ダウン症の90%~96%はこの型だといわれています。

ダウン症の原因は染色体異常

ダウン症の原因は精子や卵子の形成過程での分裂異常といわれています。

  • 精子ができるときの分裂異常
  • 卵子ができるときの分裂異常
  • 発育初期時の受精卵の分裂異常

精子、卵子、受精卵の分裂異常の際に染色体異常が発生します。

染色体異常には2種類あり、数が正常より多かったり少なかったりする「数的異常」、染色体の構成の一部が欠けたり、余分なものが付いてしまう「構造的異常」の2種類です。

ダウン症は数的異常、構造的異常でもあり、21番目の染色体が1本過剰になる状態です。

ダウン症の原因となる精子、卵子、受精卵の分裂異常の発生を抑える方法はいまのところ確立していません。

自然流産のほとんどは妊娠初期(妊娠12週未満)に起こります。

流産になった胎児のの60に染色体異常があり、その異常ゆえ胎児の自然淘汰で流産になります。

が、染色体異常のまま淘汰されずにそのまま胎児となり成長して生まれる命もあり、その命がダウン症児ということになります。

ダウン症の発生は9割が分裂異常。遺伝は数パーセント

ダウン症の発生の約90%以上が原因は染色体異常といわれています。ではダウン症は父、母の遺伝で発生することはないのでしょうか?

確率としてはとても小さいのですが、3%程度の確率で遺伝要因が考えられることもあります。

ダウン症の種類

ダウン症であるトリソミー21型は、染色体の検査結果によって3つに分類されます。

ダウン症であるトリソミー21型の種類
  • 標準型21トリソミー(全体の90~96%)
    生殖細胞の分裂異常によって染色体の数に異常が生じる。
    染色体の数が47本、21番目の染色体が1本過剰な状態で存在する。
    分裂異常で生じるため、親からの遺伝はありません。
  • モザイク型21トリソミー(全体の2~5%)
    正常な染色体をもつ細胞と、21トリソミーの型をした細胞が混ざり合わっタ状態で存在する。
    混合になっているので、診断でも見分けがつきにくく、21トリソミー細胞の割合が少ないと特に見分けられません。
    こちらも親からの遺伝はありません。
  • 転座型21トリソミー(全体の2~3%)
    常染色体44本はAからGまで7つの群に分類されます。
    この中でD群やG群の染色体と21番目の余分な染色体が結合してしまった状態で存在するものです。
    この型は遺伝するものが約50%といわれており、兄弟発生の率が高くなります。
    なのでこの型の場合は両親の染色体分析をしたほうがよいと推奨されることが多いです。

ダウン症の9割が遺伝とは関係ない生殖細胞の分裂異常が原因なので、遺伝要因の可能性は0ではないですが極めて低いです。

つまり正常な分裂が行われる確率が高まることでダウン症の確率も減らすことができるかもしれないということです。

出典:日本人類遺伝子学会 トリソミー21

ダウン症の出生頻度は?どのくらいの割合で生まれるの?

ダウン症の子供はどのくらいの割合で生まれるのでしょう?

ダウン症の出生頻度は、約1000人に1人と言われています。

そして、ダウン症の子の出生頻度は母親の年齢があがるとともに出生頻度が上昇することが分かっています。

高齢になるほどダウン症のリスクが高まる

母親の年齢とダウン症の子が生まれる確率についてみてみましょう。

ダウン症の子が生まれる頻度
20歳 1600人に1人
25歳 1250人に1人
30歳 952人に1人
35歳 385人に1人
38歳 175人に1人
40歳 106人に1人
42歳 64人に1人

母親が20歳であればダウン症児の出生確率が1/1600であるのに対して、30歳では1/952と出生確率リスクが20歳の1.5倍に高まります。

35歳で1/175人と出生確率リスクは20歳の9倍になります。

40歳では1/106と出生確率リスクは20歳の15倍です。42歳では1/64となり、出生確率リスクは20歳の25倍です。

20歳と42歳では25倍もダウン症児の出生確率が違うので、高齢出産になるとダウン症のリスクが高まるといえます。

ダウン症でない子を産みたいときはなるべく母体年齢が若いうちの出産が望ましいといわれるのもそのゆえんです。

高齢になるほど卵子は老化

また、高齢になるほどリスクが上がる原因としては卵子の老化といわれています。

女性は実は生まれたばかりのときから卵子を卵巣の中にもって生まれます。

その数は500個といわれ、その卵子は思春期がきて第二次性徴がはじまり月経がくるまでは保持されるのですが、月経がきてからは定期的に排卵をされていきます。

排卵の回数が多ければ多いほど、卵子が損傷したり、数が大きく減少していきますし、また卵子自体も食べ物や体の様々な要因の影響をうけて老化していきます。

この卵子の数の減少、卵子の老化によって染色体異常が起きる頻度が高まっていくといわれています。

2人目でも高齢出産だとダウン症のリスクは高くなる

高齢出産になるとダウン症のリスクが高まるといわれますが、では1人目が高齢出産の場合だけでしょうか?2人目なら大丈夫?

と思いがちですが、実はダウン症のリスクは母体の年齢と関係しています。

1度出産していると、産道が開きやすいとか2人目以降ならではのメリットがありますが、染色体の異常の発生率については別です。

染色体異常が発生する確率はあくまで母体の年齢と関係してきます。

2人目、3人目だから染色体異常が発生しにくいわけではなく、その年齢での出産であれば、ダウン症など染色体異常が起こる確率は1人目であろうが2人目、3人目であろうが皆同じです。

一度染色体異常が発生すると次の妊娠でも発生しやすい

ダウン症などトリソミー21、またその他の染色体異常のトリソミー18、トリソミー13などの染色体異常は一度発生すると次の妊娠でも発生の確率が高くなるともいわれています。

そのため、前回の妊娠で染色体異常が原因で流産した場合、次の妊娠の際にも染色体分析をしたほうがよいといわれています。

ただ、芸能人の東尾理子さんの例などでもあるように、染色体異常によってダウン症のリスクがあるといわれながらも、ダウン症でない子が生まれるという事例も多くあります。

染色体異常の原因とその発生頻度についての研究ではまだまだ未開のところが多いというのが現状です。

また母体の健康状態によっても違ってきます。なので、このへんは自分の体質や年齢を考えたうえで主治医とよく相談するのが望ましいです。

葉酸摂取がダウン症低減のために果たす役割とは?


どうしたらダウン症のリスクをさげることができるのか?

ここまでダウン症についてみてきて、ダウン症は精子、卵子、受精卵といった生殖細胞が分裂異常を起こすことで、染色体に異常をきたす。

その結果として、21番目の染色体が1本多い状態になることで発生するという経緯が理解いただけたと思います。

晩婚化が進み、妊婦さんの年齢の高齢化が進む中でダウン症の出生率というのも残念ながら年々増えているというのが現状です。

一番の対策は、高齢になる前に出産する!ということですが、もしそれができず高齢になってしまったとき。

そのヒントは、精子、卵子、受精卵が少しでも質の良い状態であること、老化していない状態にあることといわれています。

精子・卵子の老化を防ぐには?

精子や卵子の老化を防ぐにはどうしたらよいのでしょう?

卵子はこの世に生まれ出たときから現在の年齢まで年々老化していくことがわかっています。そして、精子のほうも。精子は卵子と違い、毎日作られます。

毎日作られてはいきますが、精子は精管内に長くとどまると、運動率が低下したり、奇形率が上昇したりする確率が高くなることも分かっています。

精子も卵子のどちらも加齢による老化は避けられないところがありますが、もう1点老化する原因に「酸化してしまう」ということがあります。

精子も卵子も酸化してしまうことで、活性酸素を取り込みそして結果として老化状態が進行します。

つまり、精子も卵子も酸化しにくい状態にすることが老化を防ぐポイントとなるのです。

精子・卵子の酸化の原因はストレスなどが起因

精子や卵子が活性酸素を取り込んで酸化してしまう原因は、実は日常の生活習慣の中にあります。

精子・卵子の酸化の原因
  • 体全体の冷え
  • 喫煙
  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • 添加物の取りすぎ
  • 精神的ストレスで抗酸化物質が出る

これら精子・卵子が酸化しやすい原因を1つでも取り除いてあげることが、精子・卵子の老化を防ぐことになり、それが精子と卵子の質をよくする。

結果として、分裂異常が起こりやすい確率を少しでもさげることができる。につながります。

葉酸などビタミンB群は疲労回復に効果がある

これらの精子・卵子が酸化しやすい状態を緩和するのに必要とされるのが「抗酸化物質」疲労回復のかなめの「ビタミンB群」です。

その中でも、葉酸はビタミンB12とともに血液をつくり、そしてDNA情報のもととなる核酸をつくる働きをしているので、精子や卵子においてもとても影響の大きい働きをします。

体全体の疲労回復が進めば、心も元気になり、心が元気になれば、体中の細胞が元気になります。

体中の細胞が元気であれば、質の良い精子、卵子も十分に育っていけます。

まとめ

妊娠前に葉酸をしっかりとることは、精子卵子の質をよくすることにもつながり、そのことが分裂異常を引き起こす可能性も小さくしていきます。

結果的に、ダウン症の子供が生まれる確率をさげるいつながるといわれています。

質の良い、精子、卵子のためにも、妊娠前にできれば女性だけでなく、男性も一緒に葉酸をたっぷり摂取していけたらいいですね。

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