ピルをやめたら副作用で抜け毛が増える!?原因と4つの対策を解説!

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「ピルを飲むのをやめたら抜け毛が増えて心配」
「ピルをやめたいけど薄毛でまた抜けると思うと怖くてたまらない」

ピル(経口避妊薬)は高い避妊効果のある薬で、服用している女性も増えてきています。

避妊薬として効果の高いピルですが、なかには副作用の抜け毛で悩む女性もいらっしゃいます。

今回は、ピルによる抜け毛の悩みの中でも特に多い、「ピルをやめた後の抜け毛」を中心にお伝えしていきます。

ピルの服用を中止したときの抜け毛について
  1. 抜け毛が増えてしまうメカニズム
  2. 抜け毛の症状改善のための対策・対処法

これらのことを知っておけば、ピルをやめても抜け毛に対して、正しい対策を取ることができるので安心です。

ピルをやめたら副作用で抜け毛が増えるリスクあり!


引用:厚生労働省 経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ

「ピルをやめたら抜け毛が増えるのか?」という疑問に関しては、「抜け毛が増えるリスクはある」というのが答えになります。

上の表は、厚生労働省がまとめた”経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ”の一部になりますが、副作用として脱毛が0.2%発生すると報告されています。

0.2%というと少ない気もしますが、その中に自分が入ると思うと怖いですよね。

そして、実際にピル服用者の体験談を調べてみると、脱毛、特に、ピル服用中止後の抜け毛で悩んでいる人が多かったです。

では、ピルを飲んでいた人は、服用中止後に毛が抜けて薄毛に悩まされ続けないといけないのか?というとそんなこともありません。

ピルをやめて抜け毛が起こる人は正しく対処することで改善が見込めます。

次からピルによる抜け毛発生のメカニズムと対処方法について紹介していきますね。

ピルが抜け毛の原因になるメカニズム


ピルが抜け毛を引き起こすメカニズムはどうなっているのでしょうか?

それを理解する上で必要な以下の3つについて順に説明していきます。

  • ピルの成分には少量の女性ホルモンが含まれる
  • 女性ホルモンが髪の成長に関係している
  • ピルをやめると抜け毛が増える

それぞれについて詳しく説明していきます。

ピルの成分には少量の女性ホルモンが含まれる

ピルには、黄体ホルモン(プロゲンステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という卵巣から分泌される2つの女性ホルモンが少量ずつ入っています。

この2つの女性ホルモンが生理周期に合わせて、量を変えながら分泌されることで排卵と生理が起こります。

ピルを服用して女性ホルモンを外部から摂取すると、脳が既にホルモンが分泌されていると勘違いして、分泌の指令を出さなくなるんですね。

結果、排卵が起きなくなって避妊が可能になるというのがピルの避妊薬としての仕組みです。

ピルの副作用としては、女性ホルモンを直接取り入れることになるので、ホルモンバランスの崩れや体の不調などが起こることがあります。

女性ホルモンが髪の成長に関係している

髪の成長には、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)が大きく影響します。

ピルには卵胞ホルモンが含まれるので、発毛・脱毛とは切っても切れない関係にあるんですね。

エストロゲンが分泌されることで、髪が成長し、成長期間も持続するお蔭で髪の毛がしっかりと育ちます。

逆にホルモンバランスが崩れてエストロゲンの比率が低くなると、髪が育ちにくくなり、抜け毛に繋がってしまいます。

ピルの服用や服用中止で抜け毛が発生するのは、エストロゲンの分泌割合が変化してしまうからです。

ピルをやめると抜け毛が増える

ピルをやめた後に抜け毛が増えるのは、ピルによって取り入れていた分のエストロゲンが不足してしまうからです。

エストロゲンが不足すると髪の生育や成長期の維持が難しくなって、髪がヘアサイクルの退行期・休止期へと移り、抜け毛が進行してしまうんですね。

また、エスロトゲンの減少によって、逆に男性ホルモンの割合は増加します。

男性ホルモンの95%はテストステロンというホルモンで構成されていて、5α-リダクターゼという酵素と結合するとジヒドロテストステロンという物質に変わります。

ジヒドロテストステロンは髪の成長を阻害するため、これもまた抜け毛の原因になってしまうのです。

ピルをやめると、髪を成長させるエストロゲンが減って、抜け毛の原因のテストステロンが増えてしまいます。二重の作用で急に抜け毛が増えるので、驚かれる女性が多いです。

ピルの服用中止後に起こる抜け毛を抑える4つの対策

ピルをやめた後の抜け毛対策
  1. ホルモンバランスが戻るのを待つ
  2. 頭皮環境を整える
  3. 血流を良くする
  4. 食生活や生活習慣を正す

ピル服用中止後の抜け毛対策として、これら4つがあります。

これからそれぞれの対策について詳細に説明していきますね。

1、ホルモンバランスが戻るのを待つ

ピルを飲むのをやめたことで起こる抜け毛に関しては、実は何もせず「ホルモンバランスが元に戻るのを待つ」ということで改善していく場合がほとんどです。

ピルを飲むのをやめることでエストロゲンは一時的に急激に減少します。その変化に体がついていけずに抜け毛が起こるので、ホルモンバランスが服用前の状態に戻れば問題なくなります。

エストロゲンを分泌する能力が衰えたわけではなく、強制的に外部から取り入れて分泌を抑制していただけなので、普通であれば時間が経つと戻ります。

一般的には、ピルの服用を中止すれば、3~4か月で元に戻ると言われていますので、そこを一つの目安に様子を見てみましょう。

2、頭皮環境を整える

ピルの服用中止での抜け毛は基本的には様子見で問題ありません。

ですが、いつエストロゲンが正常に分泌されて髪が成長期に入ってもいいように頭皮環境はしっかりと整えておくと良いでしょう。

頭皮が乾燥していたり、毛穴に汚れが詰まっていたりすると、髪がうまく成長できなくなってしまいます…。

頭皮は汚れはしっかり落とし、保湿などに必要な皮脂は残されているといった状態が理想です。洗浄力が強く、皮膚への刺激が強いシャンプーはあまり使わないようにしましょう。

アミノ酸系の洗浄成分や植物由来のケア成分が配合された育毛シャンプーなどで、頭皮をしっかりとケアするのがおすすめです。

3、血流を良くする

髪の毛をしっかりと成長させるうえで大事なのが頭皮の血流を良くすることです。

おすすめなのは、シャンプー中やシャンプー直後の頭皮が清潔な時に、指の腹で優しく行う頭皮マッサージです。

頭皮マッサージをすることで、頭皮の血行がよくなり、髪への栄養補給が促されて髪が成長しやすくなります。

他に血行促進成分が配合されている育毛剤を使用するという方法もありますが、ピルの服用中止が原因であれば自然と毛は生えてくるはずです。

ピルを止めて半年以上経つのに抜け毛が改善しない場合は、他の原因も考えられるため育毛剤の使用も考えていきましょう。

4、食生活・生活習慣を正す

イソフラボン ビタミンE ビタミンB6
豆乳
豆腐
小麦胚芽・オリーブオイル
アーモンド・ウナギ
卵・シジミ
緑黄色野菜・かぼちゃ
サーモン
バナナ・キャベツ
魚・サツマイモ
卵・銀杏・鶏のささみ
ムギ・トウモロコシ

ピルをやめて数か月したら元の状態に戻るとはいえ、それはしっかりとした食生活や生活習慣があってこそ。

ホルモンの合成に必要なたんぱく質や代謝に関わるビタミン類は不足なく摂取するようにしましょう。

女性ホルモンに似たはたらきがあるという「イソフラボン」やアンチエイジングの効果があるという「ビタミンE」、女性ホルモンの代謝に必要な「ビタミンB6」が特に大事です。

多く含む食材を表にしたので、意識して食べるようにできるといいですね。

ストレスや睡眠不足もホルモンバランスを乱してしまう原因になるので、睡眠をしっかりと取ってホルモンの分泌と髪の成長を促進させてあげましょう。

ピルの種類によって副作用の抜け毛の度合いは異なる


一口にピルといっても色んな種類があり、抜け毛の副作用の度合いも様々です。

ピルは、卵胞ホルモン剤の量で分けられた高・中・低用量ピルといった分け方や配合されている黄体ホルモンによって第何世代のピルといった区分けがされています。

低用量ピルを飲んでいれば基本的には中・高用量ピルより副作用は少ないですが、低用量ピルでも第2世代のものは抜け毛に対しては注意が必要です。

第2世代のピルは、第1世代の黄体ホルモン量を抑えるために開発されたもので、レボノルゲストレルという黄体ホルモンが含有されています。

このレボノルゲストレルが含まれたピルの服用では、副作用として体毛が濃くなるなどの男性化作用が報告されているため、服用中から脱毛が起こる可能性もあります。

有名どころではトリキュラーやアンジュといった製品が第2世代となりますので、抜け毛に対して細心の注意を払いたい場合は、避けたほうがよいでしょう。

ピルで抜け毛は根本的には治せない!


ピルは女性ホルモンを摂取できるため、女性ホルモンの減少が原因の抜け毛や薄毛に対しては治療としてピルが処方されることもあります。

しかし、これは対症療法で、根治するわけではありません。ピルで治療する場合には、ピルを飲み続けなくてはなりません。

産後の抜け毛がひどい場合にも、治療薬としてピルが処方されることがあります。

これはピルを止めたひとがひどい抜け毛になるのと同じ現象なので、産後にピルを飲むことにより女性ホルモンを補うことで、抜け毛を抑制することはできます。

一旦は、産後の抜け毛をピルで抑えても、ピルを止めるときにはまた髪が抜けてしまいます。

ですので、産後の抜け毛はピルで抑えるのではなく、自然に改善するのを待つのが、結果的に早く抜け毛が少なくなりますよ。

まとめ

今回は、「ピルをやめた場合に起こる抜け毛」について、原因と対策をお伝えしてきました!

ピルを飲むのを止めた時には、ひどい抜け毛になる場合が実際あります。

原因はピルの服用をやめることでの急激なホルモンバランスの崩れで、一時的に髪の成長が遅くなったり、ヘアサイクルの休止期に入ってしまったりして抜け毛になってしまいます。

ピルをやめて3,4か月もすれば、ホルモンバランスも正常に戻るため、抜け毛も減ってきます。

ホルモンバランスが戻ってきたときに、髪がしっかりと成長できるように頭皮環境は日頃から整えておいてあげましょう。

育毛シャンプーや頭皮マッサージ、食生活や生活習慣を改善するのが効果的です!

もしピル中止後半年しても改善しない場合は、ピルが原因ではない可能性があるので医師に相談した方がよいでしょう。

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